<由緒> 当社は、櫛挽台地の端に鎮座している。 ここは、古くからの湧水地で、境内の御手洗から湧き出る水は、 当地一帯の農業用水に利用されている別府沼に注いでいる。 この御手洗には、古墳時代末期から平安時代にかけて営まれていた祭祀遺跡がある。 遺物は、土師器を始め滑石の馬形・櫛形・曲玉・有孔円板・有線円板 ・剣形などの祭具である。 これらの祭具は、当地一帯の水源である御手洗に坐す神を祀る際に 使用されたものと考えられる。 この祭祀遺跡と北方にある別府条理遺跡を考え合わせると、 古代における水田耕作と密接に結びついていた水神信仰がうかがわれる。 社名である「ゆどの」は、井殿あるいは斎殿で、水神を祀る祭場として ふさわしい地を示している。 恐らく当初の祭場は田の祭りなどのために設営されたもので 水神に様々な模造品を供えて祭祀を行い、これが終わると、 それを御手洗に沈めたのであろう。 このような祭場は、何度も祭祀が行われているうちにやがて祠が建てられて固定し、 恒例の神事が行われる当社の前身というべき神社が発展したものと思われる。 「埼玉の神社・埼玉県神社庁発行」より |
三峯 日枝 八坂 琴平 天神 ------------------------- 昭和12年(1937)建立 炎尾形狛犬 ------------------------- 祭祀遺跡 |
<参拝メモ> JR高崎線籠原駅北3㌖ほどのところ、深谷市との境に鎮座している。 周囲は田園地帯で、神社裏手には古代の祭祀場であった水場がある。 今は静かな境内も古には多くの祭事が行われていたのであろう。 古代人の息吹が感じられる神社だった。 (駐車スペース有) |